年齢52歳、年収は開業してから一番悪い時で50万程度、一番良い時で今のところ550万、10年間の平均して300万円台といったところです。
家族構成は独身、未婚。経歴は大卒、政令指定都市で経営コンサルタントとして開業中。
但しコンサルタントとして中小企業診断士の資格を保持し、この関係で中小企業診断士協会地方支部で定期勤務で固定給を現在はもらっています。
中小企業診断士の仕事内容について
仕事内容は、クライアントが事業を開業する時には市場調査、競合調査、収益性分析を通じて分析内容をまとめ、クライアント先で発表し、そのまま顧問契約に進む場合もあります。
経営改善が必要な企業に対しては、経営分析、帳簿分析を通じて改善計画を策定し、クライアント先でプレゼン。改善状況を監査指導します。
経営者が代替わりする事業承継時には、資産状況分析、帳簿分析を通じて事業承継計画を策定し、プレゼンし、承継状況を随時監査、指導します。
経営がどうにもならず事業を撤退する時には資産状況分析債権者ヒアリング事業撤退計画策定プレゼン撤退状況監査指導します。
日々の業務は、営業は個人の飛込もやりますが、地方でパートナーを組んでいる同業者からの紹介、中小企業診断士協会地方支部の定例業務及び仕事の紹介受注、官公庁の業務募集への申し込みとプレゼンで仕事をもらうことが多いです。
各都道府県協会独自の調査に加わることも仕事の紹介につながるので重要です。
手始めは手弁当ですが、その調査を通じて知り合った経営者に仕事をもらうこともあり、手を抜けません。
また調査分析内容が優れていれば、中小企業診断士協会又は公官庁から講演依頼もあります。講演は時給換算で美味しいのがうれしいです。
中小企業診断士で独立しようと思ったきっかけと流れ
独立までの流れは経歴を紹介しながら説明します。
地方高校卒業後、初級地方公務員試験合格、公務員として総務系で2年働くも、公務員の仕事の単純性と先輩方の生活の刺激のなさから、退職し1年浪人後、東京の大学へ入学、大学卒業後は外資系ホテルチェーンに就職、主に宿泊部に勤務。8年勤務後退職。
退職理由はホテルでの仕事のマンネリ化、地方の長男のため、親の高齢化に伴う地方への帰省の必要性を感じたからです。
地方では就職せず初めから独立開業しようと思っていました。
なぜなら、公務員時代、ホテルマン時代とも、組織の中でやりがいを見つめる難しさがわかったことと、将来的な親の介護を視野に入れた場合の収入源の自由度が欲しかったからです。
起業前の勉強について
経営コンサルタントへの近道はコンサルタントの国家資格である中小企業診断士になることです。中小企業診断士になるには第1次の択一試験、第2次の論文試験と口述試験、第3次の実務補習の3段階ステップがあります。
このため、資格予備校に通い、特有の勉強の習慣化、勉強空間の確保をしました。
資格取得後は、経営コンサルタントとしての能力を向上させるため、最先端のコンサルタントが多数所属している中小企業診断士協会本部のある東京でまず、開業し、協会内の勉強会や部活動に参加し、先輩のレベルの把握とノウハウの吸収。
地方で開業する場合に備え、農業系関係団体の講習会参加、資格取得。医療系関係団体の勉強会参加、関連資格を取りました。
開業資金について
用意した金額は貯金から切り崩して、50万円で最大100万まで使うことを覚悟しました。
士業なので、開業資金はそれほどかからないことはわかっていたので、政策金融公庫などの開業関連借り入れはしませんでした。
実際にかかった費用は、税を考慮しないと以下の通りです。
- 中小企業診断士の1次試験料1万3千円
- 第2次試験料1万7千2百円
- 実務補修代15万円
- 中小企業診断士協会入会費5万円
- 年会費4万7千円
- その他開業の雑費はレーザープリンター代4万6千円
- ネットFAX料金月1500円
- 名刺作成費3000円
- 事務所名入り封筒作成費3000円
- 事務所名入り印鑑5000円
士業は開業費も年間維持費も安く済むというの本当でした。
独立してよかった点・悪かった点
一番苦労したのは、東京と地方の仕事の取り方の違いです。東京では有効な一人での飛びこみ理業や異業種交流会での単回案件獲得が地方では無理でした。
地方における経営コンサルタントの認知度の低さが原因で、税理士が絶対的地位を確保しています。
そのため、東京とは異なる仕事獲得の道筋を作ることに苦労しましたし、現在も苦労しています。地方ですでに仕事を開拓している同業種の先輩のパートナーになることがまず一つ目の仕事獲得の道筋です。
次に地方では絶対的影響力とネットワークを持っているカリスマ経営者のいる中小企業へのツテをつくること、そこから継続案件獲得、カリスマ経営者ネットワークへの紹介を作れれば地方では大成功します。
現在これを形成中です。
中小企業診断士協会地方支部内での地位形成し、協会の定期勤務を獲得し給与をもらい、協会の部活動に参加して、関連業種の企業から単回案件をまず獲得することも重要です。
そのため、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力が必要でその習得に苦労しました。地方では官公庁案件も案件自体は少ないですが金額が大きいので重要です。
ただし、地方の公官庁は権威主義経歴主義推薦が力を持っているので、何もなくプレゼンしても仕事は取れず苦労しています。
地方ではコンサルタントの年齢が高いので、先輩方のアドバイスではわからない事が多分にあり、途方に暮れることもしばしばあります。
地方の支部の協会自体の能力や仕事獲得への意欲が低いので協会自体の改善も必要と思っています。
今後稼ぎたい人へ
同じように経営コンサルタントとして独立開業を目指す方へは、コンサルタントだけで食べていけるかというと難しいことをメッセージとして残したいです。
特に地方では税理士が強く、実質的コンサルタントをしています。
ですから地方でコンサルタントとして開業したい方は、税理士や司法書士、社会保険労務士など専業の領域のある士業との兼務での開業をする方が楽だと思います。
資格の複数持ちを目指してください。
東京ならコンサルタントだけでも食っていけますし、最先端の面白い仕事がたくさんあるのでできるだけ若いうちに一杯吸収してください。
自分の今後の目標は、生活の安定のため、継続案件を増やし、紹介の流れをより多く作ることです。
それに地方活性化や高齢化問題への貢献も地方での開業する者の一人として目標としています。
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