フランチャイズでも良いから自分がオーナーになれるお店が持ちたい、そんな夢を持つ人は多いのではないでしょうか。私もまさにそんな気持ちからコンビニのフランチャイズを始めました。
40歳の時にサラリーマンとしての生活にいったんピリオドを打ち、この業界に入る決意をしたのです。
サラリーマンとしてそのまま働いていれば、家族を養っていけるだけの安定した収入はありましたし、恐らく老後も年金と貯蓄で難なく暮していけたと思います。
でも、一度きりの人生を考えたときに、挑戦することなしに諦めては後悔だけが残ってしまうという気持ちが大きかったので、何とか家族にも理解してもらいました。
数あるフランチャイズの中からコンビニを選んだのは、いつも利用している身近な存在で家族にも理解してもらいやすかったことと、開業のためのサポート体制が整っていたという理由からです。
コインランドリーやクリーンサービスなども考えましたが、やはりこれまでに全く接点のなかった業種に手を出すには、たとえフランチャイズといってもリスクが高すぎるのではないかと思いました。
私が選んだコンビニチェーンの開業資金は300万円程度と初期投資としては負担が少なめなのが魅力でした。
しかし、店舗の開店までに受けた講習会や研修で知識を身に付けるに従って、徐々に思っていた以上にオーナーにはさまざまな負担や責任が降りかかるという現実が見えてきました。
もちろんこれまでに親会社から提供された資料は隅々まで熟読していましたし、経営に関する知識も自分なりに勉強してきたつもりでした。
それでも、「理論どおりに物事が進まないのがビジネスである」と肌で感じるまでにはそう時間はかかりませんでした。
コンビニは差別化が難しくライバル店に追われる羽目に
いざ店舗をオープンしてみると、最初の数週間は新装オープンという物珍しさもあて客足は上々で、売上も目標を楽に達成できるレベルにありました。ところが、ある時を境に売上は右肩下がりの状態に陥ってしまったのです。
私の経営する店舗は駅から歩いて10分程度の場所にあるのですが、駅から5分ほどの場所に他社のコンビニができてしまいました。
安さが売りのスーパーならともかく、コンビニではセールを行うわけにもいきません。独自のカラーを打ち出すにも自分だけでは限界があります。
元気で明るい雰囲気作りや親切で丁寧な接客を心掛けるなど、どうにかして客足を取り戻そうとサービス面を重視した店舗の運営に力を入れましたが、
その効果が目に見えて売上に反映されることはなく、結局は人件費を削減を余儀なくされました。
最初は2人のアルバイトを雇って、あとは家族で分担するという計画で余裕を持って休日を作れるはずだったのが、今ではアルバイトも1人になり、家族みんなで休日を過ごせる機会はほとんどなくなってしまいました。
フランチャイズは成功例よりも失敗例から学ぶべきことが多い
幸い最近になって近くに幹線道路が開通したため、一定の売上は確保できるようになり、親会社へのロイヤリティーや雑費、廃棄などを除いても今では安定した経営ができるようになっています。
しかし、当初計画していたビジネスモデルとは全く違った経営スタイルになっていることは否めません。
まさかの競合店舗の出現という事態に見舞われたといっても、見通しが悪かったといわれればその通りで、フランチャイズ失敗の良い例になるでしょう。
私は失敗例の体験談よりも成功例の体験談から学ぼうとしてきました。
実際にそれらを活かして経営をしてきましたが、今思えば失敗例にこそ成功のカギがあったのではないかと思っています。
もちろん今からでも利益のアップのためにできることはたくさんあるはずです。失敗を失敗で終わらせるのではなく、大きな成功につなげられるように頑張っていくつもりです。
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