大阪で鍼灸院を開業しています。年齢は41歳、妻との二人暮らしです。趣味は読書、格闘技全般、大道芸、旅行です。
現在の職に就くまでは土木技術者としても経験させていただきました。
鍼灸業界に身をおいて早14年。整骨院からクリニック、訪問鍼灸事業まで経験させていただきました。ちょうど35歳くらいのときに一念発起して開業して一花咲かせようと決意しました。
現在は介護施設を中心に訪問鍼灸マッサージ業を行っております。週5回程度、様々な介護施設を訪問させていただき、寝たきり老人ゼロを目指して奮闘中です。主な仕事内容は次の通りです。
- ご利用者様のお身体のバイタルチェック、食事量、生活の中で気になったことがないかの問診
- 一番困っていること(例えば立ち上がり時に膝が痛む、長時間座っていると腰が痛いなど)を中心に施術開始。
- 施術後、実際に動いてもらって不具合がないかチェック。
- 特になければ、次回の予約を取って終了。
ここまでが現場での作業になります。
一日の仕事が終われば、鍼灸院に戻り施術録を記入します。
一日の施術数は25人前後で、一日の売り上げは約4万円くらいです。
独立のきっかけと流れについて
色んな治療院で経験していく中で、「これなら自分でもできる」ということがたくさん出てきたんです。例えば、顧客を獲得するための営業手法。
これは趣味である大道芸が大いに役に立ちました。
いかに客の心を掌握できるか、つまり「お客さんに好かれるためにはどんな演技をすればいいのか」に通じていました。
案の定、客を集めるのに苦労はしなかったので、いよいよ独立する意向を固めていきました。
現に色んな職場の集客方法を学ばせていただきましたが、あまりにも無駄なことをしている経営者が多かったので、自分ならもっと効率よく客を集めることができると妙な自信があったのです。
ここは独立して成功を収めようと第一歩を踏むことにしたんです。
起業前の勉強について
起業する前は開業されている知り合いの鍼灸師の先生方、また他業種の方と積極的にお会いさせていただき、経営のノウハウを教えていただきました。
もちろん一朝一夕でできるものではありません。
資金繰りはどうするのか、利益率などの経営学の基礎すら体得していなかったので、知り合いに頼んで大学の経営学部の教科書を借りて勉強もさせていただきました。
技術だけでは食べていくことができないのは百も承知でしたので、睡眠時間を削りながら、オンラインセミナーにも参加したり本当に大変でしたけど、多くの経験をさせていただくことができました。
これを書くとふざけているのかと思われますが、経営シミュレーションのゲームをすることによって経営戦略を学ぶことができます。
鍼灸院の開業資金は330万だった
開業資金は約330万円くらいですね。
この業界に入ってから開業することは念頭に置いてましたので、ある程度は貯金していました。かといって全部を資金に充てることはしてません。
足らない部分は国庫ローンなどを使って借り入れしました。借入するときの審査が厳しく、少々苦労したことがいい思い出です。しかし、やると決めたら、何とかなるものです。ちなみに初期費用は以下の通りになります。
- 備品購入費用(鍼灸道具、ベッド、カーテン、プリンター、パソコン、シーツなど)250000円
- 不動産取得費用 350000円
- 宣伝費用(ホームページ作成依頼など) 160000円
- 印刷物費用 15000円
- 運転資金(半年くらい)2500000円
概算で以上になります。
集客で苦労し訪問鍼灸事業を作り営業電話をしまくった
一番苦労したことは集客でした。勤めているときは簡単に集客ができると舞い上がっていましたが、いざ一人になると閑古鳥が鳴くことが多かったですね。
開業したら、患者さんが自分についてくると勘違いしていたようです。
患者さんは自分ではなく治療院についていた。
つまり、治療院というネームバリューについていただけなのです。そこで改めて自分がどれだけ無力な存在かを痛感しました。
このままではいけないということで頭をひねって出てきた答えが「訪問鍼灸事業」だったのです。
早速、ホームページから施設をリストアップし電話営業を開始しましたが、全て断られました。さすがに心が折れましたけどね。
この苦労があったからどんなことでも微動だにしない精神力が身についたのだと思います。
起業して良かった点・悪かった点
良かった点は余計な人間関係にストレスを感じなくなった点でしょうか。元来、私は人づきあいが嫌いでした。これでも治療者として仕事していることが自分でも不思議ですが・・。
スタッフに気を使うことがなくなったことにより、自分のペースで伸び伸びと仕事が出来るのが良いです。
悪い点は、利益が上がらない時に何の保証もないことです。
企業に勤めていれば月給が最低限、支払われることが約束されています。しかし、独立するとそうした保証が一切ありません。
つまり、全部が自己責任となるのです。
万が一、自分が体調を崩してしまって休む日が続くと、それだけで金銭面で不安になります。それだけ緊張感を持つことになるので、胃が痛くなることが多いです。
信念をもって起業しよう!!
独立されたい方は一度、よく考えてください。
「何のため」この問いに答えられない時は何をやっても失敗します。何故かというと自分の中に確固たる信念がないからです。
人は信念を持った時に自分の中に誓いを立て、行動していきます。
信念がないと足元をすくわれたり、失敗しただけで心が簡単に折れてしまい無力感に苛まれてしまいます。
そうすると次につながる挑戦を恐れて結局、何もできずに終わってしまうのです。自分はその葛藤の日々を戦い続けています。
現在もコロナ渦の中で売り上げにも影響が出ております。仕事がない日もあります。不安で寝れない日もあります。
しかし、あきらめずに常に新しいことに挑戦し価値創造していきますので、皆さんも頑張ってください!
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